平成27年度 医療法人啓信会 京都きづ川病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 48 44 44 76 199 312 862 1240 883 343
当院は地域の中核病院として、地域に密着した患者さん中心の病院であり、質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しております。
当院の入院患者さんは、60歳以上の占める割合が全体の82.2%、80歳以上が30.1%と、比較的重症化しやすいご高齢の患者さんが多くを占めており、主な疾患は誤嚥性肺炎や心不全、大腿骨頚部骨折、生活習慣病などです。
また、急病の治療、慢性期のケアから自宅での療養まで、切れ目なく一体的な療養環境を提供できるようにリエゾンヘルスケアシステムを構築しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 15 36.47 21.69 13.33 85.13  
060100xx03xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 13 2.00 2.76 0 65.85  
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 - - 12.60 - -  
内科では、誤嚥性肺炎・急性腎盂腎炎の患者さんが最も多くなっております。ご高齢の患者さんが多く、重症化しやすいため長期の入院となることも少なくありません。
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx03xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 368 2.03 2.76 0 68.85  
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 132 44.14 21.69 6.82 83.86  
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 54 16.15 14.34 3.7 76.57  
消化器科で最も多い疾患は、大腸腺腫(大腸ポリープ)です。ポリープを高周波電流で切除します。内視鏡下にスネアー(針金でできた輪のようなもの)でポリープの根元を縛り、通電して切除します。隆起していない平坦あるいは陥凹した病変は根元に水を注入して膨隆を人工的に作成し、ポリープと同じ要領で切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行います。他に、胃がん、大腸腫瘍についても開腹手術を行わないがんの切除を目指しており、高周波ナイフでがんの周りの粘膜を切開したのち、更に粘膜下層(粘膜の下の層)を剥離して切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。
次に多い疾患が誤嚥性肺炎です。誤嚥とは、食べ物や唾液などが気管に入ってしまうことをいい、その食べ物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こる肺炎が誤嚥性肺炎です。高齢者に多く、当院では必要に応じ言語聴覚療法士による嚥下機能訓練も併せて行っています。
3番目は、肺炎です。ご高齢の患者さんは重症化しやすいため、入院が2週間を超えることも少なくありません。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 76 31.12 18.30 5.26 84.53  
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 38 46.21 21.69 0 85.24  
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 36 2.28 3.07 5.56 69.00  
循環器科で最も多い疾患は、心不全です。心臓は体全体に血液を送り出すポンプの作用を有していますが、全身の臓器に必要かつ十分な酸素が行き渡らない状態が心不全であり、あらゆる心臓病の終末像にあたります。ご高齢の患者さんが多いため、入退院を繰り返す頻度が高く、その度に全身状態が悪化し生活の質が低下していきます。生活の質を維持して再入院を避ける目的で、医師・看護師だけでなく、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど他職種で構成するチームで患者さんをサポートする体制を整えています。
2番目に多いのは、消化器科と同じく誤嚥性肺炎です。
3番目は、狭心症等の虚血性心疾患です。この患者さんに対しては、治療前・治療後の心臓カテーテル検査を行っています。心臓カテーテル検査は、カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓まで通し、造影剤を注入して冠動脈を撮影する検査です。当院では、全国平均より1日短い日数で検査を実施しております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) - - 5.72 - -  
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 - - 5.54 - -  
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 - - 5.50 - -  
小児科では、RSウイルスなどによる急性細気管支炎や肺炎、急性気管支炎などの呼吸器感染症の症例が多くなっております。
呼吸器感染症に次いで多いのは、ウイルス性胃腸炎等の感染性胃腸炎です。容易に脱水症をおこすため、乳幼児の入院が多いです。
脳震盪等の軽度の外傷に関しましては、乳幼児から学童につきましては小児科で対応しており、脳神経外科と連携して治療を行っております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等 19 7.21 7.84 0 60.63  
060020xx01x0xx 胃の悪性腫瘍 16 24.56 20.63 0 74.56  
060035xx99x30x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 16 17.75 5.51 0 69.31  
外科で最も症例数が多いのは胆のう炎・胆のう結石症になります。急性胆のう炎の患者さんの多くは、消化器科で経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)や内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)を行った後に待機的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うことが多いです。
次に多いのが胃癌・結腸癌・直腸癌の手術症例です。予定手術については消化器内科医の診断後、外科・消化器科合同カンファレンスを行い、安全で適切な治療方法を実施できるよう体制を整えています。早期がんに対しては、患者さんにとって負担の少ない腹腔鏡手術を多く施行しております。
また、がんの化学療法につきましては主として外来通院で行っておりますが、初回の化学療法や患者さんの病態に合せて入院加療を行っております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 107 62.44 28.7 6.54 81.42  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 45 43.56 21.52 2.22 80.47  
160980xx99x0xx 骨盤損傷 28 46.46 21.26 0 75.57  
整形外科では、大腿骨頸部骨折・胸腰椎圧迫骨折・骨盤骨折をはじめとする様々な四肢外傷の治療にあたっています。ご高齢の患者さんの転倒によるものが多く、脆弱性骨折症例だけでなく慎重な全身管理が必要な患者さんも増えており、長期の入院となることも少なくありません。
また、当科では、寝たきり防止や後遺症の軽減のために、入院または手術後より早期に急性期リハビリテーションを開始しています。患者さんの体力や回復速度に合わせたリハビリテーションの内容を計画していきます。その後は回復期病棟に移りリハビリを専門的に行い、患者さんの日常生活動作の訓練などをチーム医療で進めていきます。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 54 36.76 18.08 12.96 68.63  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 34 5.79 7.52 0 58.47  
010230xx99x00x てんかん 28 9.46 7.03 17.86 64.68  
脳神経外科では、脳卒中の急性期病変、特に脳梗塞の入院が最も多くなっております。
入院後の治療としては、発症4.5時間以内であれば t-PA による急性期血栓溶解療法が可能であり、また、抗血小板療法(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞)や抗凝固療法(心原性脳塞栓症)を行います。ほとんどの症例は発症24時間以内に入院することが多く、その場合には、上記治療薬に加え脳保護療法として活性酸素除去剤(エダラボン)を用いて活性酸素を低減し、脳梗塞による被害を軽減することが可能です。
てんかんは、脳の異常な興奮により、意識障害やけいれん発作などが起こる病気で、抗けいれん薬を用いて薬物療法を行います。
その他、頭部外傷、脳出血、脳腫瘍といった様々な脳神経疾患を診療しています。
当科では、チーム医療体制のもと、理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士による早期リハビリテーションを行っており、社会復帰にかかる期間の短縮や、予後改善の促進を図っております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx02020x 膀胱腫瘍 36 7.69 8.02 0 73.67  
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 25 2.00 2.89 0 55.12  
11022xxx99xxxx 男性生殖器疾患 18 8.50 8.55 0 71.17  
泌尿器科で最も多いのは、膀胱癌に対する経尿道的手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術、TUR-Bt)を受ける患者さんです。尿道から膀胱に内視鏡を挿入し、その先端に付いている電気メスで膀胱内の腫瘍を切除します。患者さんの状態に応じて、手術後に再発予防のため抗がん剤を膀胱内に注入(化学療法)する場合があります。
次に多いのは、自然排石不可能な尿管結石に対する体外衝撃波砕石術(ESWL)を受ける患者さんです。
その他、生殖器炎症性疾患、前立腺癌、腎癌、尿管癌、膀胱結石といった様々な疾患を診療しています。
当科では、できる限り患者さんにとって楽な治療法を選択し、日常生活への早期復帰により、病気で悩まされることから開放されることはもちろんのこと、治療前に比べてより良い生活をおくれるように診断・治療を行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 53 10 - - 10 - 1 7
大腸癌 - 17 12 17 - 27 1 7
乳癌 - - - - - - 1 7
肺癌 - - - - - - 1 7
肝癌 - - - - - 10 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの数を、初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。
UICC病期分類とは、UICC(国際対がん連合)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度 ②所属リンパ節への転移状況 ③遠隔転移の有無 の3つの要素によって各癌を Ⅰ期(早期)~ Ⅳ期(末期)の4病期(Stage)に分類するものです。
「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者を診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。

当院では、胃癌、大腸癌の患者さんを多く診療しています。人間ドックやがん検診後の受診による早期発見の方から病期が進行している方、再発の方まで、幅広い患者さんに対し病態や社会的背景を踏まえて、手術・抗がん剤・緩和ケア治療等、総合的な治療を行っております。
また、身体的負担の少ない手術(内視鏡的治療・腹腔鏡下手術)を積極的に行っており、最良の治療を提供できるよう努めております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
  患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 12 12.83 60.50
重症度 1 30 22.30 79.33
重症度 2 27 28.85 84.56
重症度 3 - - -
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類を用いて集計しています。この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外です。
重症度0は軽症、重症度1~2は中等症、重症度3は重症、重症度4以上は超重症に分類されます。

当院では、中等症が最も患者数が多く、重症度が上がるごとにご高齢の患者さんの割合が高くなります。慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患を抱えている患者さんも多く、その場合は長い治療期間を要します。治療は、急性呼吸不全の管理、薬剤投与が中心であり、呼吸器内科の医師と連携し治療にあたっています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 22 11.86 73.18 4.55
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 134 51.08 74.02 11.81
その他 10 30.10 72.80 0.69
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
発症3日目以内の急性期脳梗塞の患者さんが全体の約93%を占めています。
当院は、緊急性のある疾患に迅速に対応できるよう、24時間365日患者さんを受け入れ、常時CT・MRI検査などができる体制を敷いています。発症から4時間半以内の超急性期脳梗塞には t-PAという脳の血栓(血のかたまり)を溶解する薬の投与により、脳の血流の回復を図るための効果的な治療を行うことが可能です。
t-PA適応外の患者さんやt-PA治療後に効果が十分でなかった患者さんには、病態に合せて薬物治療・手術などを行いつつ、後遺症を軽減するために治療初期からの理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士による早期リハビリテーションを行っており、社会復帰にかかる期間の短縮や、予後改善の促進を図っております。
また、当院には急性期病棟・回復期病棟・療養病棟と複数の機能をもった病棟があり、患者さんの状態に合った医療サービスの提供が可能です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K721-21 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満) 13 0 1 0 65.85  
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -  
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -  
内科では、大腸ポリープや腫瘍に対する内視鏡的大腸ポリープ切除術、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を多く行っていますので、ポリペクトミー(ポリープ切除)目的の短期入院が多くなります。
また、不整脈で失神や心不全を伴う症例に対してペースメーカー移植術を行っています。
消化器
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K721-21 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満) 367 0.11 1.06 0 69.21  
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 217 0.06 1.41 0 68.49  
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 46 5.46 7.91 0 73.39  
消化器科で最も多い手術が、大腸ポリープや腫瘍に対する内視鏡的切除術で病変の形状により手術の手法が異なります。ポリープは内視鏡下にスネアー(針金でできた輪のようなもの)で根元を縛り、高周波電流を通電して切除する手法(内視鏡的大腸ポリープ切除術)を用い、隆起していない平坦あるいは陥凹した病変は根元に水を注入して膨隆を人工的に作成し、ポリープと同じ要領で切除する手法(内視鏡的粘膜切除術(EMR))を用います。
次に多いのは胃癌・前癌病変に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。内視鏡で確認しながら高周波のナイフで癌の周りの粘膜を切開したのち、更に粘膜下層(粘膜の下の層)を剥離して切除する治療法です。開腹手術を行わない癌の切除を目指しております。
循環器
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 16 0 28.00 6.25 67.69  
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 16 1.88 3.88 0 70.81  
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 10 0.10 16.50 10.00 63.10  
循環器科で最も多い手術は、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)に対する経皮的冠動脈ステント留置術を含む心臓カテーテル治療(PCI)です。虚血性心疾患に対する血管内治療とは、血管内にカテーテルという細い管を挿入し、血管の狭窄部位を拡張したりする手術を指します。
タイミングとしては①緊急で行う場合や検査と同時に行う場合、②検査から日数を空けて行う場合、③検査後一旦退院してから再入院して行う場合など、患者さんの状態に合せて様々なタイミングで手術が行われています。予定入院であれば、1泊2日や2泊3日退院することが可能です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 29 1.38 5.17 0 72.62  
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 19 1.37 4.84 0 60.63  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 16 3.13 14.69 0 70.94  
外科で手術件数が最も多いのは、鼡径ヘルニア手術で、次いで腹腔鏡下胆嚢摘出術、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術と続きます。
当科では、体にやさしい腹腔鏡を用いた手術(胃癌・大腸癌・胆石症・胆のう炎・鼡径ヘルニア・虫垂炎など)を積極的に導入しています。腹腔鏡手術は直視下に手で臓器を触って手術するのではなく、カメラを挿入しておなかの中をモニターに映し出し、様々な器具を使って病巣部を摘出する方法です。この手術は、腹部の傷が以前の方法よりかなり小さく、病巣を取り出すための4cmほどの傷とその他の器具挿入のための小さな傷数カ所で行うことが出来ます。患者さんの利点は傷が目立たないこと、癒着が少ないことなどがあります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 91 2.26 55.20 7.69 79.29  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 46 3.78 57.57 4.35 79.33  
K0462 骨折観血的手術(下腿) 28 2.39 26.32 0 58.68  
整形外科では、大腿骨近位部骨折に対する骨接合術や人工骨頭挿入術の件数が最も多く、全体の約3割を占めます。
交通外傷・高齢者の骨折など急性疾患の患者さんが多く、合併症を予防すべく出来るだけ早期に手術し早期離床を図ることを心がけております。また、リハビリテーションについても早期から行い、安心して機能回復に努めていただけるよう、充実したリハビリ施設とスタッフを揃えています。
ご高齢の患者さんが多く内科的合併症を有する方も少なくないため、在院日数がやや長くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 28 1.50 20.00 3.57 75.71  
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 15 5.73 75.80 0 66.93  
K181-2 脳刺激装置交換術 14 2.14 15.79 7.14 65.86  
脳神経外科で最も多い手術は、「慢性硬膜下血腫」に対する穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫は、頭部外傷を負って1~2ヶ月後に、歩行障害や認知症等の症状が起こる病気で、多くが緊急での手術を必要とします。穿孔洗浄術では、小さな穿頭で硬膜下に溜まった血腫を吸引し、洗浄除去します。術後は早期に症状が改善し、約96%の患者さんが自宅へ退院されます。
次に多いのが、脳動脈瘤頚部クリッピング術です。脳血管疾患の中でも重篤である「くも膜下出血」の治療や、そのくも膜下出血を未然に防ぐ予防的治療として、「未破裂脳動脈瘤」に対してクリッピング術を行っています。
また、当院ではパーキンソン病・振戦や不随意運動・ジストニアの治療として平成12年より脳深部刺激療法(DBS)を行っています。DBSとは、脳内に電極といわれる細い線状のものを挿入し、脳に対して電気刺激を行う療法です。そのために、胸にペースメーカーのような電気刺激装置を埋め込み、それからリード線を介して電気を流します。手術に伴う副作用が少なく、安全に両側に行うことができ、術後に症状にあわせて皮膚の上から調整が可能であるという利点があります。全国でも症例数の多い病院のひとつです。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 48 1.98 5.48 0 74.13  
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 27 0.44 1.63 0 56.33  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 26 1.38 7.69 3.85 70.62  
泌尿器科で最も多い手術は、膀胱癌に対する経尿道的手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術、TUR-Bt)です。尿道から膀胱に内視鏡を挿入し、その先端に付いている電気メスで膀胱内の腫瘍を切除します。患者さんの状態に応じて、手術後に再発予防のため抗がん剤を膀胱内に注入(化学療法)する場合があります。
次に多いのは、自然排石不可能な尿管結石症に対して行う 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)です。体外衝撃波により結石を細かく砕く治療法です。衝撃波により砕石されて生じた破片は、尿とともにゆっくりと体外に排出されます。入院日に施行し、2日間で退院できます。
経尿道的尿管ステント留置術は、様々な原因による尿管閉塞を伴う水腎症に対して、尿および膿の排出を目的として行われます。外尿道口(尿の出口)から内視鏡を膀胱まで挿入し、膀胱内の尿管口(尿管の出口)からワイヤーを腎臓まで進め、それを元に腎臓から膀胱まで尿管の中に細いカテーテルを留置し、尿の通り道を確保します。
当科の手術は、内視鏡を用いた手術の占める割合が非常に大きく、傷がない、あるいは小さな切開で済むケースが多くなっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 28 0.71
180010 敗血症 同一 - -
異なる 57 1.44
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 22 0.55
異なる - -
ご高齢の患者さんや免疫不全(癌など)が背景にある方は重症化しやすく、播種性血管内凝固や敗血症、真菌感染症により全身状態の悪化をまねくことがあります。

手術・処置などに伴う感染症等の合併症の発生率を示しました。
当院では、手術や処置などを行う際には合併症を起こさないように細心の注意を払い施行していますが、起こりうる合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。
更新履歴
2016/09/30
平成27年度分病院指標を公開。