整形外科
整形外科
整形外科は運動器疾患を扱う診療科です。運動器とは骨、軟骨、筋肉、腱、靱帯、関節、神経などの総称であり、それぞれが連携して機能しています。そのうちのひとつでも機能しないと身体機能は損なわれてしまいます。当科は運動器の機能改善を目的に四肢、脊椎、骨盤などの全身の運動器を治療対象としています。
打撲・捻挫・骨折などの四肢外傷、腰痛・関節痛など加齢による変性を基礎とした慢性疾患、オーバーユースによるスポーツ障害やスポーツ外傷、脊椎・脊髄疾患、骨粗鬆症、骨軟部腫瘍など治療分野は多岐にわたり、また小児から高齢者まで幅広い年齢層を対象としています。
診断に必要な画像機器(X線・透視検査装置・CT・MRI・超音波検査装置や骨密度測定器)から手術機器・術中透視装置・関節鏡装置など最新のものを準備し駆使することで、正しい診断や、最適な治療が可能となります。基本は保存療法となりますが、手術が必要な患者さんには、極力手術侵襲が少なく、早期社会復帰が可能な方法を選択しています。
京都きづ川病院整形外科の特色
私たちは、整形外科疾患を抱える患者さんを、少しでも健康な状態に戻し可能な限り早期に社会復帰して頂くことを目指しています。 また、医療人として絵自己研鑽に励み、多職種でのチーム医療を行うことで、患者さんにとって最適な医療を提供できるよう努力致します。
二次救急指定病院・京都府立医科大学関連病院
当院は二次救急指定病院となっており、多数の外傷疾患に対応しています。特に近年では、高齢者の大腿骨近位部骨折の増加に伴い、ADL低下を予防する観点から、可能な限り早期(受傷から48時間以内) に手術を行っています。また、その他の骨折などの外傷疾患についても、早期に対応するように心掛けています。
京都府立医科大学整形外科学教室の関連病院であることから、大学病院のスタッフと随時連携し、重度骨盤骨折、難治性骨折などに対する高度手術にも対応しています。
また、大学病院の脊椎専門医が水曜日午前の外来を担当し、必要な患者さんには午後から手術を行っています。
スポーツ整形
地域の学生やスポーツ愛好家の膝・足関節疾患に対し、小侵襲で精度の高い関節鏡視下手術(前十字靭帯再建術、半月板縫合術、離断性骨軟骨炎手術、遊離体摘出術など)を提供しています。
変性変形性疾患
荷重関節である股関節・膝関節の変性疾患は、寿命の延長とともに増加しており、疼痛や可動域制限などの機能障害は、日常生活の質の低下につながり、健康寿命を短縮することになります。これらの改善のため、当科では膝関節周囲骨切り術や簡易ナビゲーションシステムを用いた、精度の高い人工股関節・膝関節置換術を積極的に行っています。
ケアミックス病院の強み
-急性期からリハビリテーションまでサポート-
運動器疾患を扱う整形系外科の治療には、機能回復を図る上で、リハビリテーションの重要性は言うまでもありません。当科では定期的にカンファレンスを行い、リハビリテーション科・部と密に連携を取り、保存治療・手術治療にかかわらず、スポーツ整形患者から高齢者まで、十分な量と質のリハビリを提供できる様心掛けています。最近の傾向として病院の機能分担化が進んだことで、急性期治療が落ち着いた時点で、回復期リハビリテーション病院に転院した上で、リハビリ治療を継続することが多くなっています。
当院は急性期病棟・包括病棟・回復期リハビリテーション病棟と複数の機能を持ったケアミックス病院であり、リハビリの必要度と期間によって、各々の病棟でリハビリを提供できる環境にあります。また、当医療法人内に通所リハビリ施設や訪問リハビリテーションもあることから、十分な機能回復が得られるまで、住み慣れた地域でシームレスに治療を継続できることは大きなメリットであると考えます。
チーム医療
当院では、日本脆弱性骨折ネットワーク(FFN-J)が中心となり策定した、二次骨折予防のための骨折リエゾンサービス(FLS)を実施しています。高齢者の大腿骨近位部骨折患者の骨粗鬆症治療について、治療薬の選択・治療効果の判定や、治療継続性の確認等、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなど多職種と連携して取り組んでいます。
対象疾患
- 四肢・体幹・骨盤外傷(実質臓器損傷を除く)
上下肢骨折、脱臼、腱・靱帯損傷など
- 手、末梢神経疾患
ばね指、腱鞘炎、神経障害(手根管症候群、肘部管症候群)など
- 変性変形性疾患
変形性関節症(肩・肘・手・膝・股・足・指趾)
- スポーツ外傷・障害
膝前十靭帯損傷、半月板損傷、膝蓋骨不安定症・脱臼
疲労骨折、シンスプリント、アキレス腱断裂など
- 脊椎・脊髄疾患
頚椎症性脊髄症・神経根症、腰部脊柱管狭窄症、椎体骨折
椎間板ヘルニア、後縦靭帯・黄色靭帯骨化症など
- 骨粗鬆症
骨盤輪骨折、圧迫骨折などの脆弱性骨折含む
- 骨軟部腫瘍
ガングリオンなど腫瘍類似疾患含む
手術実績
手術件数(1月~12月) | 2023年 |
外傷 | 261 |
上肢 | 50 |
下肢 | 48 |
脊椎・脊髄 | 26 |
スポーツ | 21 |
小児外傷 | 9 |
腫瘍 | 2 |
うち、人工関節置換術(肩・股・膝) | 22 |
診療体制
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | ||
病院14診 | 松下 | 西 | 大神 | 藤井 | 堀江 | ||
病院15診 | 南 | 吉田 | 伊藤 | 南 | 吉田 | 高橋 京都府立医大学教授 |
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病院16診 | 伊藤 | 市橋 | 外村 京都府立医大学講師 |
松下 | 市橋 | 担当医 |
※予定につき当日変更となる場合もありますことをご了承ください。
スタッフ
副院長 南 銀次郎 京都府立医科大学 平成4年卒
資格・所属学会など
専門領域 |
部長 吉田 敦彦 京都府立医科大学 平成11年卒
資格・所属学会など
専門領域 |
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医長 伊藤 智人 関西医科大学 平成25年卒
資格・所属学会など
専門領域 |
医員 市橋 諒 福井大学 平成30年卒
資格・所属学会など
専門領域 |
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医員 松下 英浩 京都府立医科大学 平成30年卒
資格・所属学会など 日本整形外科学会
専門領域
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非常勤医師 高橋 謙治 京都府立医科大学 教授 外村 仁 京都府立医科大学 講師(脊椎) 堀江 直行 京都府立医科大学 学内講師 藤井 俊 京都府立医科大学 西 亮祐 京都府立医科大学 大神 浩司 京都府立医科大学
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ご協力のお願い
- 大腿骨近位部骨折データベース
(日本脆弱性骨折ネットワーク(FFN-J)へのデータ登録) - JOANR(Japanese Orthopaedic Association National Registry)
(日本整形外科学会症例レジストリーシステムへのデータ登録)
学会等認定施設
- 日本整形外科学会専門医制度研修施設
- 日本リハビリテーション医学会研修施設
- 日本骨折治療学会 短期集中 骨折・外傷治療研修可能施設
(担当者:リハビリテーション科統括部長 野村嘉彦)